Nordic Semiconductorより、次世代無線SoCファミリー「nRF54Lシリーズ」の新たなエントリーモデルとして、超低消費電力無線SoC「nRF54LC10A」が発表されました。
本記事では、コストやサイズに制約のあるIoTデバイス開発において注目の選択肢となる「nRF54LC10A」の主な特徴と開発環境・スケジュールについて詳しく解説します。
Nordic Semiconductorから、nRF54Lシリーズの新しいエントリーモデルとなる**「nRF54LC10A」**が発表されました。
nRF54LC10Aは、アセットトラッカー、紛失防止タグ、各種センサーなど、小型化・低コスト化が求められる製品をターゲットとしたワイヤレスSoCです。
Bluetooth® Low Energy(Bluetooth LE)に加え、Channel Sounding、Apple Find My network、Google Find Hubに対応。また、IEEE 802.15.4にも対応しており、Thread、Zigbee、Matterなどの用途にも利用できます。
■nRF54LC10Aの主な特徴とメリット
nRF54LC10Aは、アセットトラッカー、遺失物タグ(Item Finder)、スマートセンサーなど、厳しくサイズ・コストが制約される製品向けに最適化されたエントリーモデルの無線SoCです。
1. 高精度測位と「Find My」エコシステムへの対応
Bluetooth LE技術に加えて、高精度な距離測定を可能にするBluetooth Channel Soundingに対応しています。さらに、以下の広大なトラッキングネットワークをサポートしており、先進的な追跡・位置情報デバイスの実現に最適です。
- Apple Find My network
- Google Find Hub (Find My Device)
2. 豊富なスマートホーム・産業向けプロトコルに対応
IEEE 802.15.4をサポートしており、Bluetooth LEにとどまらない多様なネットワーク規格に対応できます。
- Matter / Thread: スマートホームアクセサリーやシンプルセンサー
- Zigbee: 既存のスマートホームインフラとの連携
- KNX IoT: 産業・ビルオートメーション向け機器
3. メインSoCとしてもコプロセッサとしても活用可能
スタンドアロンのメインSoCとしてアプリケーションを動作させるだけでなく、既存設計、ハブ、ボーダーコンバーター(Border Router)に無線接続機能を追加するBluetooth LE / Thread ラジオ・コプロセッサ(RCP)としても利用できます。
4. nRF54Lシリーズ共通の超低消費電力・高度セキュリティ
エントリーモデルでありながら、nRF54Lシリーズの上位モデルと同等の超低消費電力性能、最新のセキュリティ機能、共通のソフトウェアおよび開発ツール群をそのまま継承しています。
■主要スペック・機能概要まとめ
■開発・供給スケジュールと学習リソース
nRF54LC10Aは、現在すでに開発を開始可能な体制が整っています。
- 早期アクセスプログラム(Early Access Program): 開発キット「nRF54LC10 DK」およびSoCサンプルの提供を開始中(プロジェクトベースでの申請が必要)。
- 開発キット一般販売: 2027年 Q1より各代理店にて取り扱い開始予定。
- 量産開始時期: 2027年 Q2を予定。
- 公開ドキュメント: 暫定データシート(Preliminary Datasheets)および各種テクニカルドキュメントが公式公開中。
■nRF54L Series Express コースについて
Nordic Developer Academyにて、nRF54Lシリーズの概要・機能・開発手法を学べるオンラインコース「nRF54L Series Express」が公開されています。ハードウェアやソフトウェアの事前準備は不要で、所要時間2〜3時間程度で速習可能です。
■まとめ
nRF54LC10Aの登場により、Bluetooth Channel SoundingやMatter対応の低コスト・小型IoTデバイス開発がさらに加速することが期待されます。最新技術を取り入れた製品開発をご検討の際は、ぜひ活用をご検討ください。
■Raytacによるモジュール化にも期待
nRF54LC10Aを製品に採用する際、開発期間や設計工数の削減という観点から、今後のモジュール製品の展開にも注目したいところです。
Nordic SemiconductorのnRF54Lシリーズについては、Raytacがすでにモジュール製品を展開しています。
Raytacは、nRF54L15・nRF54L10・nRF54L05を搭載した「AN54LQシリーズ」を量産化しており、nRF54LシリーズをベースとしたBluetooth LEモジュールのラインアップを既に拡充しています。
一方、現時点では、RaytacからnRF54LC10Aを搭載したモジュール製品の公式発表は確認できていませんので、今後の発表に期待ですね。







