Bluetooth SIG未認証モジュールに注意


昨今の半導体不足(2023年中も続くと想定されます)に起因するBluetooth®モジュールの入手性の悪さは、新規商品の市場投入の機会を減らすだけでなく、既存製品の安定供給にも多大に影響し、各社調達・購買部門のご担当者様はハードネゴや代替品の調査・獲得に翻弄され、実際モノが入庫されるまで安心できない状況が続いているかと思われます。

そのような中、比較的納期が短くご用意させていただいているRaytacのBLEモジュールへの問い合わせが増えている状況ですが、入手性を重要視することに注力しすぎてBluetooth SIGへの認証が済んでいないモジュールを選定してしまい、後々大きなトラブルに発展した実例も同様に最近よく聞くようになりました。(もちろんRaytacのBLEモジュールは全て電波法における技適マーク、及びBluetooth SIGへの認証登録が済んでいる製品です。)

新規製品開発時の部材選定時、または代替品を探す際には認証関係で以下の点に注意して評価されることをお勧めいたします。

 

1.(そもそも)認証済みモジュールでもBluetooth SIGへの製品登録は必要

RaytacのSIG認証済みモジュールに限らず他の同様のSIG認証済みモジュールにおいても、お客様にて製品組み込み後にモジュール単体の認証だけでBluetooth規格を使用することは認められておりません。かならず製品組み込み後の状態で認証済みモジュールのQDIDを参照し、DIDを購入しSIGに登録する必要があります。

*未認証モジュールの場合はQDIDがないため、試験が免除されません。

また、電波法の技適認証済みモジュールにおいては多くの場合はモジュール供給側で取得した技適認証がそのまま使用できるケースとなります。ただし、完成品として認証を取得していることが条件となりますので、選定時に供給側に確認したほうが良い点となります。

 

2.(外部に開発委託する際は特に)認証済みかどうかの真偽を確かめる

認証済みモジュールという点をそのまま信じるのは危険です。そもそも「認証済み」とは何を指しているのでしょうか?各国の電波認証のことだけを指しているケースもありますので、Bluetooth SIGに登録されているかどうかについては、供給側にQDID(Qualified Design ID)を提示してもらい、ご自身がBluetooth SIGのページでそのQDIDにて検索を行い、該当のモジュールが正しく登録されているか(登録されているTypeについての確認など。End productやComponent, Controller subsystem等=Typeによってその後の登録の仕方が変わります)どうかを確認することをお勧めいたします。特に外部開発委託先においては確認されていないケースもあり、(外部委託先からは認証済みモジュールを使用している。という連絡を受けて安心している)後々問題に発展するケースを聞いたことがあります。

 

3.Bluetoothのバージョンにおける非推奨及び廃止の期日を確認する。

Bluetooth SIGでは古いバージョンのスペックはメンテナンスを終了し、スペック廃止のプロセスに移行します。各バージョン毎にDeprecation期限以降は新規の設計認証が不可となり、Withdrawal期間を過ぎると完全に新規の製品登録もできなくなります。その為、認証済みモジュールを採用したつもりでも、お客様が製品登録(EPL)をする際にQDIDが参照できず、登録できない状況に陥ります。

現状(2023/03/09)で発表されているスケジュールは下記となります。

 *表のとおり、すでにBluetooth 4.1はWithdrawalです。以降の新規登録は不可となりますので採用されないように注意してください。

 

以上ですが、まだまだ製品によっては50週以上必要なものもあると伺っております。Raytacのモジュールは需要予想に基づく先行手配を継続しており、製品によっては参考納期8-12週というものも御座いますので、特にNordic SoCを使用しているユーザー様で納期にお困りの方はお気軽にお問合せ頂ければと思います。

 

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