Bluetooth® 5.4 とは?(概要)


Bluetooth®コア仕様の最新バージョン Bluetooth® 5.4は2023年1月31日にBluetooth Special Interest Group (SIG)の理事会によって採用され、2023年2月7日からSIG認証を受けることが可能になりました。

今回はBluetooth®5.4の主な新しい特徴について記載したいと思います。

 

まずはBluetooth® Low Energyの各バージョンのおさらいから

 

■BLE version

・Bluetooth 4.0 (2009/12/17)

Bluetooth Basic Rate / Enhanced Data Rate (BR/EDR)から大幅な省電力化

転送速度 1Mbps

 

・Bluetooth 4.1(2013/12/04)

IPv6へのサポート(開発者向け)、自動再接続機能追加

電波干渉をおさえ通信品質の向上

 

・Bluetooth 4.2(2014/12/03)

転送速度の高速化(260kbps→650kbps)

IPv6/6LoWPANのサポート(一般ユーザー向け)

 

・Bluetooth 5.0 (2016/12/08)

通信速度x2 / 通信距離 x 4 / 通信容量 x 8

 

・Bluetooth 5.1 ( 2019/01/21)

AoA / AoD (方向検知)

 

・Bluetooth 5.2 ( 2020/01/06)

LE Audio (Auracast)

 

・Bluetooth 5.3 (2021/07/13)

LE Audioの最適化(信頼性・省電力化など)

 

■Bluetooth® 5.4の特徴

さて本題ですが、Bluetooth® 5.4の主な改善点としては単一のアクセスポイントから数千のエンドノードとの双方向通信を可能にすることです。これは特に急速に成長しているESL(電子棚札)市場を見据えているようです。

それを実現しているのがPAwR(Periodic Advertising with Responses)となります。例えば、定期的なアドバタイザーに対して受信するデバイスが応答する機能であったり、デバイスをグループに割り当て、特定グループの送信のみリッスンすることが出来るようになるなど。これが1対多での双方向の通信において高いエネルギー効率を提供しています。

また、EAD(Encrypted Advertising Data)によって、アドバタイジングデータを暗号化する機能が追加されます。これはどのデバイスでも受信できますが、以前セッションキーを共有したデバイスによってのみ復号化および認証することが出来ます。

以上となりますが、Bluetooth PAwRは非常に強力で効率的な巨大なスター型のネットワークの実現をサポートしており、まさに電子棚札において新たなソリューションとなりえる規格になります。

Bluetooth 5.4の詳細仕様に関してはSIGが提供する下記ページより資料のダウンロードをお願い致します。

”Bluetooth® Core SPecification Version 5.4-Technical Overview”

 

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください