今回はBluetoothの基本についてQ&A方式でSIGが記載しているものを
抜粋して紹介します。
■Bluetoothって何?
Bluetoothは特定距離間でデバイスを繋ぐ無線通信規格の世界標準です。
例えば…ヘッドセットと電話、スピーカーとPC、バスケットボールとスマートフォン等々の
相互通信に使われる無線規格です。
市場にある数十億の製品に組み込まれている技術で今日のIoTに密接に関係しています。
■Bluetoothはどの様に機能する?
BluetoothデバイスはPCやスマートフォンにケーブル等を使用せずラジオ波で接続します。
Bluetoothのチップとソフトウェアを組み込んだ製品(ヘッドセットや腕時計等)であれば、
簡単に繋ぐことが出来ます。
2つのBluetoothデバイスが相互通信したい時はペアリングが必要になり、
この様な短距離相互通信はアドホックネットワーク(Bluetoothではピコネット)を
形成します。
*アドホック…自律分散型ネットワーク。アクセスポイントを必要としないP2P接続
ネットワークは2~8つの接続されたデバイスで形成され、その中の一つがMasterの役目を
残りがSlavesの役目になる関係となります。
MasterとSlaveの相互通信は過去記事「Bluetooth vs BLE」が参考になります。
■Bluetoothには幾つか種類がある?
実際、幾つかコア仕様が違うBluetoothのバージョンがあります。
一般的なBluetoothは「Bluetooth BR/EDR(Basic rate / enhanced data rate)と
Bluetooth Low Energyが昨今では有名です。
スピーカーやヘッドセットではBR / EDRを、一方フィットネスバンドやビーコンなどは
Bluetooth Smart(Bluetooth Low Energy)を市場でよく見ると思います。
バージョンの違いによる簡易説明は過去記事「Bluetoothのバージョンについて」参照
■Bluetoothは何が出来る?
先の説明の通り、Bluetoothは無線でデバイス間を相互通信できます。
良く知られているのはヘッドセットとスマートフォン・車・PCとの接続、
またスマートフォンやPCとスピーカーなどですが、それだけではありません。
例えば、照明、ドア鍵、テレビ、靴、バスケットボール、ボトル、玩具等々
さらに、ビーコン技術を使用して買い物客や空港の旅行客、スポーツイベントの観戦客等も
Bluetoothの技術を利用することが出来ます。
Bluetoothのアプリケーションは無限大で開発者の想像力次第という事が言えます。
■他の通信規格と比べてのBluetoothは?
端的に回答するとBluetoothはどこにでもあり、省電力で簡単に使用でき、低コストです。
・どこにでもある?
殆どのスマートフォン、PCやタブレットに搭載されています。
これはキーボードやマウス、スピーカーやフィットネスバンドとの接続を容易にします。
出荷台数などは過去記事「Bluetooth 市場の近況」参照。
・省電力?
Bluetooth Smart(BLE)を使用すれば、コイン電池で数か月~数年間稼働するように
設計する事も可能です。IoTには省電力が必須の要素となります。
・簡単に使用できる?
設定画面からBluetoothをOnにして、ペアリングボタンを押して暫く待てば接続完了です。
それだけです。
開発者にとってもコア仕様から開始し、プロファイルレイヤーにサービスを乗せるだけです。
SIGが用意する幾つかの開発ツールも用意されています。
・低コスト
最低限のコストでBluetoothを製品に乗せることが可能です。
モジュールかSoC(System on Chip)等を購入し、ブランドライセンスを購入するだけです。
登録料は会社の規模によって種類があり、スタートアップ用のサポートプログラムもあります。
SIGメンバーの違いについては過去記事「Bluetooth SIGメンバーについて」参照
■Bluetooth SIG(Special Interest Group)はBluetoothと同じですか?
SIGはBluetooth規格のキュレーターです。
Bluetooth製品を開発、販売する場合は全てSIGのメンバーに加入する必要があります。
ピンバック: Bluetooth 製品開発のStep by Step | Bluetoothモジュール (BT4.0 & BT4.1 & BT4.2)