各国無線認証と規制について:モジュールポリシー or エンドプロダクトポリシー

各国には電波利用に関する規制があり、Bluetooth®も当然無線に該当するため、電波の利用者・該当製品の製造業者・販売業者・輸出入業者等々は取り扱いの際に十分注意し、各国の規制内容について理解しておく必要があります。それは電波を有効利用しあう社会において必要な理解であると同時に、認証を得るということは必要な技術的信頼性を備えているということを証明することにもなります。

ベースとなる要件等は各国共通している点もあれば様々なため、また修正や更新も行われるため都度必要な時に管轄省庁や認証機関等に最新情報を確認する必要があります。

ただ各国認証は様々な条件があるとはいえ、認証を得るためのプロセスは大きく分けて2つのタイプに分けられるといえます。それは①モジュールポリシー②エンドプロダクトポリシーと呼ばれ、該当する認証がどのポリシーを採用しているか理解することが始まりとなります。

 

①モジュールポリシー(Modular approval)

RaytacのようなBluetoothモジュールなどの複合コンポーネントを1つの無線デバイスとして認証される形態です。(シンプルにモジュールを1つの完成された製品として認証を得ること)

このポリシーは認証済みモジュールを各ホストデバイスに採用する場合、基本的な追加のテストが必要ない場合がほとんどとなります。(もともとの認証済みモジュールですでに電波の技術的要件はクリアされ散るという考え方)

 

②エンドプロダクトポリシー

このポリシーは認証済みモジュールを各ホストデバイスに採用する場合でも、デバイス全体(完成品)にてテストを受け、技術基準をクリアする必要があります。ただし、一部要件においてはもともとの認証済みモジュールのテストデータを転用できるケースもあるようです。

 

モジュールポリシーを採用している国からRaytacのモジュールのケースを例にもう少し詳しく見てみましょう。

 

【モジュールポリシー】

(1)FCC(アメリカ)

 *FCC ID Search / Federal Communications Commission

 Part 15C ➡ 製品ラベルにRaytacのモジュールFCC IDを記載するだけで条件クリア

 Part 15B(EMC)➡ EMCテストを実施するために試験機関に依頼し、SDoc*を提出する

 *SDoc(Supplier’s Declaration of conformity : サプライヤーによる適合宣言)

     特定の要件に対する適合を供給業者が書面で保証することにより、製品、プロセス、またはサービスが規格または技術基準に適合していることを示す宣言書類

 

(2)IC(カナダ)

 *Industry Canada Wireless ID Detabase (Industrycanada.co)

 1.FCCと同様 ➡ 製品ラベルにIC IDをそのまま記載することが可能

   2.完成品でのEMC試験必要(IC ES003)➡ FCC Part15Bと合わせて試験可能

 

(3)Telec技適(日本)

 *MIC ICT Policy (soumu.go.jp)

 1.製品ラベルにTelec IDをそのまま記載することが可能

 2.完成品でのEMC試験はオプションでユーザーに任されている(実行しなくてもOK)

 

(4)KC(韓国)

 *South Korea – Labeling / Marking requirements (Trade.gov)

 1.無線テストはモジュールの報告書を使用することで新たなテストは要求されない

 2.EMC KN301489(CE EN301489と同じ規則)

  ➡最終製品をもとにEMCテストの実行が必要。同様にFCC Part 15Bとテストを合わせること可能

 3.もし製品が追加のケーブルIOポートを取得した場合、KN3235でのテストが要求されます。

 4.それぞれの試験は韓国内にある指定の試験機関で行う必要があります。

 

(5)NCC(台湾)

 National Communications Commission (ncc.gov.tw)

 *モジュールポリシーに似た制度ですが、正確にはプラットフォームポリーというものになります。

 *該当するかどうかはお問合せください。

1.プラットフォームポリシーに適合している場合 ➡ テスト不要でモジュールのNCC IDを使用可

2.プラットフォームポリシーに適合していない場合 ➡ 最終製品でテスト必要

*プラットフォームポリシー…すでにある特性に機能を追加するだけの場合はプラットフォームポリシーに適合しているといえますが、新しいアイデア等を製品化する際は最終製品でテストが必要になります。➡該当するかどうか判断が微妙なため、都度のお問合せをお勧めいたします。

 

(6)SRRC(中国)

 *State Radio Requlation of China (srrc.org.cn)

 1.SRRC IDをそのまま使用できます。

   *但し、組み込む完成品のカテゴリーがHome electronics / office suppliesに該当しない場合は

    新たにSRRCのテストを受ける必要があります。

 

 

【エンドプロダクトポリシー】

(1)CE RED(欧州)

 *CE Marking (trade.gov)

  1.無線テスト:EN300328

   ➡導電試験はRaytacのCEレポートを転用することが可能

   ➡放射試験は無線規制に基づいて完成品でテストする必要あり

 2.EN301489 (EMC)

   ➡FCCと同じ規制が適用。FCC Part 15Bとテストを合わせることが可能

 3.安全性試験:EN60950(EN62368)

   ➡最終品でテストする必要あり。

 

(2)RCM(オーストラリア・ニュージーランド)

  *The Regulatory Compliance Mark(RCM) (General) – EESS

  1.CE認証取得済み品 ➡ CEレポートが転用出来、テストが免除されます。

 2.CE認証未取得品 ➡ CEと同じテストが必要

 

 

以上がRaytacが取得している認証モジュールを例にとった各国の認証取得プロセス(簡易)説明となります。他にもインドネシア・タイ・マレーシアなどのお問い合わせを受けることが多いですが、Raytacでは現状で認証済みのモジュールはありません。そのため各機関に直接確認されることをお勧めいたします。(すでに事例としてRaytacのモジュールを使用し認証を取得されているお客様は多くいらっしゃいます)

また先述の通り、レギュレーションが変更されるケースもあります。コンプライアンス遵守のため都度各国の管理省庁、または認証機関、試験機関にお問合せされることをお勧めいたします。

 

CE RED & Safety Directives更新及びRaytac Bluetooth® Low Energyモジュールの対応について

CEよりRED(Radio Equipment Directive)及びSafety Directiveの更新についてアナウンスがありました。Raytacの対応方針について連絡いたします。

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Raytac Bluetooth® Low Energyモジュール使用時の各国電波利用認証及びSIG認証について

RaytacのBluetooth® Low Energyモジュールの最大の特徴の一つである「各国認証取得済み」について、実際それぞれの国で違う規制・認証においてお客様の方でどのような対応が必要か?について今回は解説していきます。

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MDBT42V(nRF52832 Bluetooth® LE module, WLCSP 20pin) 各国電波認証取得

RaytacのEE(Easy Employ)ポリシーにより、
全てのRaytacのモジュールはBluetooth SIGのBQB認証(ロゴ認証)取得のみならず、
各国の電波利用に関する規制も対応しております。
これによって、国内での販売のみならず海外の市場も視野に入れているお客様において、
他社製品を採用した時と比べ、より早く安く展開できるお手伝いをしております。

今回はRaytacの新しいモジュールMDBT42Vシリーズ(2017年11月予定)においても、
日本(技適)、米国(FCC)、カナダ(IC)、欧州(CE)、台湾(NCC)、中国(SRRC)の
電波利用に関する規制に対応したことをご報告します。

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Nordic nRF52832モジュール:MDBT42Vシリーズ 欧州RED対応

MDBT42VとMDBT42V-PはNordicのnRF52832ソリューションを使用している
Raytacの最新のモジュールです。
BluetoothのバージョンとしてはBT4.2とBT5においてBluetooth SIGに登録されており、
サイズが小さいのが特徴です。

このようなサイズが実現できたことにより、
より多くのIoT機器に搭載できる為、最近特に問い合わせが増えている製品となります。

 

この度、このMDBT42Vシリーズモジュールが
下記欧州REDにおいて対応したことをご報告いたします。

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欧州無線新指令RED対応完了報告 (EN300 328 V2.1.1)

欧州の無線関係の指令においてR&TTEに変わる欧州無線機器指令(RED)
2014/53/EUへの移行がRaytacの全てのBLEモジュールにおいて完了致しました。

 

関連記事「CEマーク R&TTEからRED(無線機器指令)に続きを読む “欧州無線新指令RED対応完了報告 (EN300 328 V2.1.1)”

CEマーク R&TTEからRED(無線機器指令)に

EUにおいて無線および通信端末機器指令(R&TTE)1999/5/ECが制定されてから
18年も経ちます。
その間技術革新が進み、新たに欧州無線機器指令(RED)2014/53/EUが公表され、
R&TTEは2016年6月13日で廃止となり、移行期間猶予は2017年6月12日までとなります。

Raytacは全BLEモジュールにおいてR&TTEの試験は完了しておりますが、
2017年5月頃をターゲットにREDへの移行が完了する見込みです。

今回はそんなREDについての簡易まとめ。
続きを読む “CEマーク R&TTEからRED(無線機器指令)に”