インド市場へRaytac Bluetooth LE®モジュールを投入するには?WPC-ETA証明書取得について

本記事はインド市場へBluetooth Low Energy製品を投入する際に現時点(2023/06/06)での事前参考情報となります。実際インドの認証取得に動かれる場合は総務省や各試験機関にて最新情報をご確認されることをお勧めいたします。

 

■初めに

WPC-ETA証明書(インド)についての概要と、RaytacのBluetooth Low Energy®モジュールとの関連性について説明いたします。WPC無線機認証は無線伝送の規格(Bluetooth / WiFi / RFID等)によって、いくつかの分類があります。今回の記事はRaytacのBluetooth Low Energy®モジュールを搭載した製品のケースがベースとなります。

 

■概要

   (1)インドにおけるWPC証明書/機器型式承認(ETA)とは何ですか?

   (2)Raytac BluetoothモジュールがWPC-ETA規制カテゴリーに適用される理由

   (3)ETA-SDライセンス(ETA承認)を取得するために必要なものは?

   (4)輸入プロセス中にETA-SDライセンスがどのように機能するのか

 

■本文

(1)インドにおけるWPC証明書/機器型式承認(ETA)とは何ですか?

インドにおける無線機器の規制は周波数スペクトル管理を担当する国家無線規制当局のWireless Planning & Coordination Wing(WPC)で規制されており、認証プロセスはWPC証明書とETA(Equipment Type Approval)番号が発行されることで、インド内での販売・流通が可能となります。

また申請者はインド国内の事業者である必要があるため、インドに支店等関連企業がない場合は現地代理人を立てる必要があります。

 

(2)Raytac BluetoothモジュールがWPC-ETA規制カテゴリーに適用される理由

— 自己宣言(ETA-SDライセンス)を通じたETA

Raytac Bluetoothモジュールに適用される機器のコンプライアンス規制を特定するために、WPC機関から公開された以下のチャートによると、Raytac Bluetoothモジュールの仕様が「無許可周波数帯域リスト」内に位置していることが確認できます。具体的には、2400-2483.5MHzの周波数帯域で、10mWのEIRP制限を有し、低電力および非常に低電力の短距離無線周波数デバイスが非特定の短距離デバイス用に使用されます。

 

Raytac Bluetoothモジュールの仕様が無許可周波数帯域で動作し、低い送信電力であることを確認した後、同時に、輸入許可の対象外であることを確認するために、DGFT(外国貿易総局)の輸入ポリシーに基づいて輸入許可が免除されていることを確認します。2019年2月26日付けのMinistry OM ETA-WPC-Policy-2018-19によると、Raytacは「自己宣言を通じたETA」申請手続きを行うことが許可されています。この手続きは、DoTのSARAL SANCHARポータルによって2019年4月12日に開始されました。

以下は、WPC機関によって認定されたRaytacのETA自己宣言(ETA-SDライセンス)を持つモジュールMDBT50の例です。

 

(3)ETA-SDライセンス(ETA承認)を取得するために必要なものは?

RaytacのBluetooth Low Energy®を搭載した製品をのETA承認(ETA-SDライセンス)を申請するために以下を準備する必要があります。

 ・申請書

 ・委任状(現地代理人から)

 ・FCC/CE R&TTE試験レポート

 ・仕様書

 ・ブロック図

 ・取扱説明書

 ・製品写真

 

(4) 輸入プロセス中にETA-SDライセンスがどのように機能するのか

ETA自己宣言を通じてモデルに対してライセンスが付与された場合、その後は他の人がインドでの輸入/使用の目的で利用することができます。輸入代理業者/製造業者がライセンスの申請者と同一の団体である必要はありません。

質問:ETA自己宣言のカテゴリーに該当する製品をどのように輸入しますか?                  回答:このようなカテゴリーの製品は、ETA-SDライセンスを提示することで輸入することができます。

 

ETA-SDライセンスは、技術パラメータ/デザインが変更または変更されるまで有効であり、更新は必要ありません。

一般的に、インドではいわゆるモジュールポリシーも非モジュールポリシーも採用していません。WPC-ETA証明書の取得方法は、製品の種類(半製品および完成品)および製品の技術仕様(周波数スペクトルおよび最大出力電力)によって決まります。例えば、製品がインドで製造され、そのRFモジュールにETA証明書があり、変更や変更がない状態で内部に組み込まれる場合、輸入プロセス中にそのような完成品には別個のETA証明書は必要ありません。ただし、完成品がインド外で製造された場合、各製品に対して輸入前にETAが必要です。

輸入プロセス中には、ETA(RLO)証明書と輸入許可証が関税に提出されますが、ETA-SDライセンスを持つRaytacモジュールは輸入許可が免除されており手続きが簡単です。

 

以上となります。