Bluetoothの通信距離について知っておくべきこと


全ての通信技術において、幾つかのアプリケーションの中ではBluetoothが優れているのは
皆さんご存知の通りです。
もし製品開発においてBluetoothを検討する場合、
幾つかの知っておくべき基本的なことがあります。

今回はその中で、Bluetoothの通信距離を決定づける要因についての説明と
幾つかの改善方法を紹介します。

 

■Bluetooth Classic vs. Bluetooth Low Energy
元来Bluetoothは大量のデータを近距離にて連続して送受信するように設計されてます。
(ストリーミングデータ)
デバイスが送信と受信を同時に行える等の点は、消費者向け製品において(ヘッドセット等)
Bluetoothは完璧と言えるソリューションとなります。

Bluetooth Low Energy(BLE)が2011年に市場に出始めたとき、
以前のバージョン(Bluetooth Classic)と比べ、同じ通信距離で低消費電力を低帯域幅で
実現しました。
これは定期的に小さいデータをやりとりするデバイスには電池寿命を数カ月~数年伸ばす
ソリューションとなりました。

 

■Bluetooth通信距離 比較表
bluetooth range comparison chart
*Nordic “GET CONNECTED BLOG”より引用

 

■通信距離を左右する要素
通信距離を左右する要素は幾つもありますが、典型例としては…
①送信の出力
②受信側の感度
③通信上の物的障害
④アンテナ

どちらかというと無線の効率やアンテナよりも、
外的環境要因が通信距離を決定づける大きな要因であることは認識しなければいけません。
例えば、オープンフィールドでのアウトドアでは数百メートルの通信距離が最大で可能ですが、
これは非常に稀なケースと言えます。インドアでは実際物的障害(例えばコンクリの壁等)が多く
それらは劇的に通信距離を短くする要因となります。
通常はインドアにおいては十メートルと案内するのが適当といえます。

もしBluetoothを採用した製品を開発する際は、
Bluetoothのチップの選定、受信機の感度評価、出力設定とアンテナとのマッチングにより
より長い通信距離を実現することが可能です。

状況によっては数百メートル~数千メートルの通信距離が必要な場合があるかと思います。
次々項ではどのようにBluetoothの通信距離を伸ばすか説明したいと思います。

 

■Bluetooth Classic/Smartの典型使用例
typical usage bluetooth

 

■ネットワークを利用してBluetoothの通信距離を改善する
bt connect internet via gateway
Bluetoothは複数の分散型ゲートウェイを通じてインターネットに接続することが可能です。
またBluetoothデバイスは(ゲートウェイを通じて)オンラインサービスを利用し
互いにコミュニケーションをとることも可能です。
これは地理的に広大なエリアに広がったデバイスへの理想的な解決策となります。

しかし、通常それらのハブを直接接続するには個数に制限があります。
もし数百から数千のBluetoothデバイスを比較的小さなエリアで制御したい場合、
(例えば、オフィスビルとか)
ゲートウェイに接続されたメッシュネットワークを構築する必要があります。

 

■メッシュネットワーク
mesh network by bt
オンラインで省電力のコミュニケーションを必要とするデバイスは日に日に増えてきており、
このようなシーンに対応する為、BLEはメッシュネットワーク構造をサポートしています。
メッシュネットワークは広大なエリアで非常に多くのBluetoothデバイスを繋げることを可能にし、
それらのすべてのデバイス(”ノード”)は同じメッシュ構造において
双方向や単体、複数体での中間ノードを通して互いにコミュニケーションできるようにします。

この様な方法では中央ゲートウェイに全ての通信が介す必要はなくなり、
まさにインターネットの様にデータパケットは最も効率的なルートを探して通信します。
さらにメッシュ構造ではブロードキャスティングの様に同じメッセージを送受信でき、
個々がそれぞれ適切なアクションを取るように設計できます。
mesh network picture
例えば上記の様なスマートライトシステムの場合、
それぞれのスイッチと電球はメッシュ構造においてBLEを使用したノードとします。
個々の電球はどの部屋に設置されているか認識しており、メッシュ構造を通してそれぞれの電球に信号が送られます。
ノード1から「Room2のスイッチをつける」という信号がメッシュ構造を通して送られ、
Room 1の電球がその信号を受け取ったときは(Room 1にある電球である為)信号通りの動作は行われません。
Room 1のノードを介してRoom 2の電球に信号が到達した際、初めて電球が点灯することになります。
これはRoom 1とRoom 2が数百メーター離れていても、またRoom数が数千あったとしても
同じメッシュネットワークであれば、BLEではどこからでも電球のコントロールが可能となります

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