リリース概要:Bluetooth Core6.2仕様公開


(出典:Bluetooth SIG公式ブログ) Bluetooth® Technology Website
無線技術標準「Bluetooth®」において、約半年ごとの更新サイクルに則り、“Core 6.2” がリリースされました。今回は、応答速度の向上/セキュリティ強化/テスト・通信基盤の機能改善を軸に、IoT・スマート家電・産業用途などへの要求を踏まえたアップデートとなっています。


主な新機能・強化ポイント

以下、仕様の中でも特に注目すべき3点を抜粋し、概要を整理します。

原文(Bluetooth® Technology Website記載順に沿って紹介します。 

 

1. 「Bluetooth® Shorter Connection Intervals」

  • 従来最低 7.5 ms だったLE(Low Energy)接続インターバルを 375 µs(=0.375 ms) まで大幅短縮。

  • この短縮により、HID(Human Interface Device)用途、リアルタイムHMI(Human-Machine Interface)、レイテンシーがクリティカルなセンサーなどで“即応”性能が高まります。

  • たとえばボタン入力/ゲームコントローラ/産業機器/AR/VR機器など、応答遅れを極力抑えたい応用で大きなアドバンテージになるでしょう。

 

2. 「Bluetooth® Channel Sounding Amplitude-based Attack Resilience」

  • 無線チャネル上の“アンプリチュード(振幅)”を起点とした攻撃、例えばリレー攻撃・なりすまし・距離測定を悪用した攻撃に対して強化された防御策を導入。 

  • 特に自動車(車載)、スマートホーム、産業IoTなど「距離」や「位置」「信号の正当性」が重要な分野での安全性向上が期待されます。

  • 安全性を訴求軸とした無線モジュール・システム提案時に“次世代Bluetooth 6.2対応/チャネルサウンディング耐性あり”という訴求が可能になります。

 

3. 「Bluetooth® HCI USB LE Isochronous Support」

  • USB接続のホスト‐コントローラインターフェース(HCI)において、LE Isochronousデータ伝送を標準化する「Bulk Serialization Mode」を導入。 

  • これにより、USBベースのシステムでも、LE Audio(オーディオ用途)や高帯域・低遅延・定時性を求めるデータストリームとの連携が容易になります。

  • PC/車載インフォテインメント/USBドングル型のBluetoothモジュールなど、新たな接続形態・用途展開のチャンスと言えます。

 

他、「Bluetooth® LE Test Mode Enhancements」等

  • ケーブル接続を必要としない OTA(Over-The-Air)試験のサポートなど、テストモードの統一プロトコル化が進みました。 

  • 製品開発フェーズでの“試験・検証”コスト軽減/市場投入までのスピードアップにもつながる重要機能と言えます。


 

 

ご参考)Bluetooth機能の対応表示について

製品のBluetooth対応を説明する際、製品が認証を受けたBluetooth®コア仕様のバージョン番号(例:Bluetooth® Core 6.2)をそのまま記載することは推奨されません。
代わりに、製品が実際に対応しているBluetooth機能やアプリケーションをパッケージ、取扱説明書、マーケティング資料などにおいて、明確かつ正確に示すようにしてください。

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