
Raytac AN7002Q-nRF5340開発ボード(AN7002Q-DB-5340)開発およびプログラミング環境
RaytacのAN7002 Wi-FiモジュールとnRF5340モジュールをすぐに開始できるようにするため、AN7002Q-nRF5340デモボード(AN7002Q-DB-5340)とnRF5340 DKを使用した開発およびプログラミング環境のセットアップ方法の簡単なガイドを紹介します。
この記事では以下の4つの流れで説明いたします。:
- ハードウェアのセットアップ
- ソフトウェア開発キットと環境のセットアップ
- プログラミング/開発
- ファームウェアのフラッシング/アップロード

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Update Bluetooth Qualification Process

今後のBluetooth®認証プロセスが改定される流れについて現時点(2024/04/09)での概要をまとめておきます。
認証プログラムの改定は参照ドキュメントQPRD v3が承認される予定で進んでおり、2024年7月1日に発効する予定とのこと。
*現在の認証プロセスの参照ドキュメントはPRD v2.3。申告プロセスドキュメントはDPD v1.0

また、QPRD v3で適用される新しい認証プロセスとポリシーに対応するため、新たな認証ツールQualification Workspaceも同じく2024年7月1日に提供を開始することで計画されているようです。
*現行の認証ツールはLaunch Studio。
今後、新旧の比較やRaytacのBLEモジュールを採用頂くお客様での認証プロセスへの影響などは詳しい情報が発表され次第に検証しご連絡をしていく予定ですが、今回は簡単な改定内容について下記に列挙します。
- 複数の文書を統合し、手続きをシンプルにする
- 製品の設計に焦点を当てた新しい手続きの導入
- 製品の種類を新しいカテゴリーで置き換える
- 用語の更新と以前の手続きとの区別
- テスト要件の明確化
- 必要なテストのみを行うことでテスト計画を簡素化
- 以前のバージョンの使用を許可する
- 再評価要件の廃止
- 製品の相互運用性の向上
- ガイダンスとして分かりやすい表の追加
より詳細を把握されたい方は最新のドラフトであるQPRD v3を直接確認ください。
尚、気になる点として以下は確認済みとなります。
・認証費用の変更は?
→現時点で予定なし。
・今までの認定製品に何かしらの対応が必要か?
→今回の改定ですでに認定されている製品への影響はない。
・認証済みモジュールを採用する顧客への影響は?
→参照していたQDIDは新たにDN(Design Number)に変更されるようですが、
お客様側のプロセスは大きく変更がない可能性が有ります。(追って詳細確認必要)
以上、以前よりBluetoothの認定プロセスが複雑すぎるという声をきいての今回の改定のようですが、シンプルにユーザー様側で具体的な変更点が分からないと安心できないですね。今後の情報をお待ちください。
Raytac Embedded World 2024に出展
Raytac Corporationは、2024年4月9日から4月11日までドイツ、ニュルンベルクの展示会場であるNuremberg Exhibition Centreにて開催されるEmbedded World 2024に参加いたします。

Nordic Semiconductor 日本法人 来社
ご存知の方も多いかと思われますが、Nordic Seimconductor の日本法人(ノルディック・セミコンダクター株式会社)において、2024年1月1日より役員の構成が変更されました。長年代表取締役を務められていた山﨑氏が退任され、新たにJohn Kenney氏が新任となられており、この度、弊社にご来社いただき以降の展望についてメーカーのRaytac社と共に情報交換をさせて頂きました。

*写真左よりRaytac社 Director Lyon Liu氏、Nordic Semiconductor Country Manager John Kenny氏、私(岩舘)、Raytac社 Senior manager Jocelyn Tsai女史で記念撮影
Bluetooth市場では大きなシェアを持つNordicですが、WiFは後発ということもありWiFi 6(nRF7002等)への販促にも力を入れていくようで、Raytac社としてもnRF7002のモジュール化(現在開発中:Q2 2024予定)を進めており、新しいアプリケーション用途への採用に向け期待しています。
また、ユーザーを増やすための販促・啓蒙活動も積極的に行う予定で、個別の勉強会なども受けていきたいとのこと(もし企業単位でご要望がありましたらご相談させていただきます)。さらにサプライヤーや代理店等との情報交換を密に行う仕掛けも検討中とのことで、より関係各社との連携が強化されユーザー様には最新で的確な情報供給がされていくことが期待されます。
今後もNordic Semiconductor社の動きに注目ですね。
*特にnRF54は注目されており大変問い合わせが多く今後の情報更新が待たれます。

Bluetooth 内部発振器?外部発振器?
Bluetooth モジュールは、通常、32MHzの内部発振器 (または内部クリスタル。Internal X’tal) と 32.768KHzの外部発振器のオプションを備えています。どちらを選択するかは、アプリケーションの特定要件、消費電力、精度、コストなどの要素によって異なります。以下は、内部発振器と外部発振器の基本的な違いです。
■内部発振器(32MHz)
- 機能: 内部発振器はモジュール内に組み込まれており、Bluetooth モジュールのクロック信号を生成します。この内部発振器は、通常、小型で軽量であり、外部部品への依存度を低減します。
- 利点: 設計を簡素化し、スペースを節約し、コストを削減します。
- 欠点: 一部のアプリケーションでは、内部発振器が求めるレベルの精度を提供できないほど高いクロック安定性が求められる場合があります。
■外部発振器(32.768KHz)
- 機能: 外部発振器は、モジュールに外部接続された独立した発振器であり、より高いクロック安定性と精度を提供します。
- 利点: 高いクロック安定性を提供し、より厳しいタイミング要件を持つアプリケーションに適しています。
- 欠点: 追加部品が必要であり、スペースを余計に占める可能性があり、コストが増加します。
nRF52機能最適化-アクセスポートプロテクション(APProtection)搭載 Raytac Bluetoothモジュール
■APprotection(アクセスポートプロテクション)
Nordic Semiconductor製品では、nRF52 シリーズマイクロコントローラに強化された APprotection 機能が統合されています。APprotection (アクセスポートプロテクション) は、不正アクセスや改ざんからデバイスのアプリケーション (コンパイル済みコード) を守るための重要なセキュリティ機能です。
現在エンジニアにとって、nRF52 シリーズマイクロコントローラ搭載の改良された APprotection 機能を効果的に活用し、デバイスアプリケーションのセキュリティと信頼性を向上させることが重要課題となっています。
その為、Raytac Corporation は、nRF52840 SoC Rev.3及びnRF52832 SoC Rev.3を搭載したAPprotect ソリューションに対応するBluetooth Low Energy®モジュールを用意しております。
*Rev.2製品も並行して供給しております。
これらのモジュールは、従来(Rev.2以前)の nRF52840 および nRF52832 低消費電力 Bluetooth モジュールの機能を維持しつつ、APprotect 機能を追加することで、ハッカーによる不正なプログラムへのアクセスや書き換えを防ぎ、セキュリティを全体的に向上させています。
以下、Raytac Corporation による nRF52 Rev.3 Bluetooth Low Energyモジュールの詳細説明です。
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AT Commandチュートリアル:MDBT42Q-AT/PAT
RaytacのATコマンドで制御できるFWを積んだBLEモジュールは、IoT、および組み込みシステムにおいて重要な役割を果たしています。
このガイドは、効率的なATコマンドの使用に適した環境を開発者が構築するのを支援し、スムーズな通信とアプリケーションの動作を確保することを目的としています。
Hanyu Hsu / Avnet Taiwan に感謝します。

Keep Out Area(キープアウトエリア)のについて
Raytacでは基板設計時においてコンポーネント配置や配線を避けるべき箇所を「Keep Out Area」と呼んで各品番毎に公表しております。
今回はKeep Out Areaがなぜ必要なのか、ちょっと掘り下げてみたいと思います。
各国無線認証と規制について:モジュールポリシー or エンドプロダクトポリシー
各国には電波利用に関する規制があり、Bluetooth®も当然無線に該当するため、電波の利用者・該当製品の製造業者・販売業者・輸出入業者等々は取り扱いの際に十分注意し、各国の規制内容について理解しておく必要があります。それは電波を有効利用しあう社会において必要な理解であると同時に、認証を得るということは必要な技術的信頼性を備えているということを証明することにもなります。
ベースとなる要件等は各国共通している点もあれば様々なため、また修正や更新も行われるため都度必要な時に管轄省庁や認証機関等に最新情報を確認する必要があります。
ただ各国認証は様々な条件があるとはいえ、認証を得るためのプロセスは大きく分けて2つのタイプに分けられるといえます。それは①モジュールポリシー②エンドプロダクトポリシーと呼ばれ、該当する認証がどのポリシーを採用しているか理解することが始まりとなります。
①モジュールポリシー(Modular approval)
RaytacのようなBluetoothモジュールなどの複合コンポーネントを1つの無線デバイスとして認証される形態です。(シンプルにモジュールを1つの完成された製品として認証を得ること)
このポリシーは認証済みモジュールを各ホストデバイスに採用する場合、基本的な追加のテストが必要ない場合がほとんどとなります。(もともとの認証済みモジュールですでに電波の技術的要件はクリアされ散るという考え方)
②エンドプロダクトポリシー
このポリシーは認証済みモジュールを各ホストデバイスに採用する場合でも、デバイス全体(完成品)にてテストを受け、技術基準をクリアする必要があります。ただし、一部要件においてはもともとの認証済みモジュールのテストデータを転用できるケースもあるようです。

モジュールポリシーを採用している国からRaytacのモジュールのケースを例にもう少し詳しく見てみましょう。
【モジュールポリシー】

(1)FCC(アメリカ)
*FCC ID Search / Federal Communications Commission
Part 15C ➡ 製品ラベルにRaytacのモジュールFCC IDを記載するだけで条件クリア
Part 15B(EMC)➡ EMCテストを実施するために試験機関に依頼し、SDoc*を提出する
*SDoc(Supplier’s Declaration of conformity : サプライヤーによる適合宣言)
特定の要件に対する適合を供給業者が書面で保証することにより、製品、プロセス、またはサービスが規格または技術基準に適合していることを示す宣言書類

(2)IC(カナダ)
*Industry Canada Wireless ID Detabase (Industrycanada.co)
1.FCCと同様 ➡ 製品ラベルにIC IDをそのまま記載することが可能
2.完成品でのEMC試験必要(IC ES003)➡ FCC Part15Bと合わせて試験可能

(3)Telec技適(日本)
1.製品ラベルにTelec IDをそのまま記載することが可能
2.完成品でのEMC試験はオプションでユーザーに任されている(実行しなくてもOK)

(4)KC(韓国)
*South Korea – Labeling / Marking requirements (Trade.gov)
1.無線テストはモジュールの報告書を使用することで新たなテストは要求されない
2.EMC KN301489(CE EN301489と同じ規則)
➡最終製品をもとにEMCテストの実行が必要。同様にFCC Part 15Bとテストを合わせること可能
3.もし製品が追加のケーブルIOポートを取得した場合、KN3235でのテストが要求されます。
4.それぞれの試験は韓国内にある指定の試験機関で行う必要があります。

(5)NCC(台湾)
National Communications Commission (ncc.gov.tw)
*モジュールポリシーに似た制度ですが、正確にはプラットフォームポリーというものになります。
*該当するかどうかはお問合せください。
1.プラットフォームポリシーに適合している場合 ➡ テスト不要でモジュールのNCC IDを使用可
2.プラットフォームポリシーに適合していない場合 ➡ 最終製品でテスト必要
*プラットフォームポリシー…すでにある特性に機能を追加するだけの場合はプラットフォームポリシーに適合しているといえますが、新しいアイデア等を製品化する際は最終製品でテストが必要になります。➡該当するかどうか判断が微妙なため、都度のお問合せをお勧めいたします。
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(6)SRRC(中国)
*State Radio Requlation of China (srrc.org.cn)
1.SRRC IDをそのまま使用できます。
*但し、組み込む完成品のカテゴリーがHome electronics / office suppliesに該当しない場合は
新たにSRRCのテストを受ける必要があります。
【エンドプロダクトポリシー】

(1)CE RED(欧州)
1.無線テスト:EN300328
➡導電試験はRaytacのCEレポートを転用することが可能
➡放射試験は無線規制に基づいて完成品でテストする必要あり
2.EN301489 (EMC)
➡FCCと同じ規制が適用。FCC Part 15Bとテストを合わせることが可能
3.安全性試験:EN60950(EN62368)
➡最終品でテストする必要あり。

(2)RCM(オーストラリア・ニュージーランド)
*The Regulatory Compliance Mark(RCM) (General) – EESS
1.CE認証取得済み品 ➡ CEレポートが転用出来、テストが免除されます。
2.CE認証未取得品 ➡ CEと同じテストが必要
以上がRaytacが取得している認証モジュールを例にとった各国の認証取得プロセス(簡易)説明となります。他にもインドネシア・タイ・マレーシアなどのお問い合わせを受けることが多いですが、Raytacでは現状で認証済みのモジュールはありません。そのため各機関に直接確認されることをお勧めいたします。(すでに事例としてRaytacのモジュールを使用し認証を取得されているお客様は多くいらっしゃいます)
また先述の通り、レギュレーションが変更されるケースもあります。コンプライアンス遵守のため都度各国の管理省庁、または認証機関、試験機関にお問合せされることをお勧めいたします。