nRF Connect SDK「Bare Metal option」登場 – nRF54Lシリーズ開発がより身近に


2025年8月末、Nordic Semiconductorから新たに nRF Connect SDK Bare Metal option が発表されました。これは、nRF54Lシリーズ向けにZephyr RTOSを使わず、より軽量なBare Metal構成でBluetooth LEアプリケーションを開発できるソフトウェアオプションです。

Bare Metalとは?

「Bare Metal」とは、RTOSやOSを介さずに、アプリケーションがハードウェアの上で直接動作する開発スタイルを指します。

  • メリット: メモリ消費が小さい、動作が速い、消費電力を抑えやすい

  • 向いている用途: ビーコン、シンプルなセンサー送信機能、超低消費電力アプリ

一方で、マルチタスクや複雑な同期処理が必要なアプリケーションにはZephyr RTOSを使う方が適しています。

 

👉 まとめると:

  • Zephyrあり → 高機能、マルチスレッドや拡張性が必要なアプリ向け

  • Bare Metal → 軽量、シンプルなBLEアプリや低消費電力を重視する用途向け

 

nRF5 SDKユーザーに朗報

このBare Metal optionは、従来の nRF5 SDK + SoftDevice と似たAPIやアーキテクチャを持つため、

  • nRF52シリーズ → nRF54Lシリーズ への移行がスムーズ

  • 過去の資産や開発スタイルを活かせる

という大きな利点があります。

 

Raytacモジュールとの関連

弊社でも取り扱っているRaytac社の各種モジュール(nRF52シリーズベース)が日本市場で広く利用されています。
今回のリリースにより、Raytacが現在展開している nRF54Lシリーズ搭載モジュール においても、従来のnRF5 SDKスタイルでの移行が容易になります。
特に「まずはBeacon用途で試したい」「シンプルなセンサーデバイスを作りたい」といった方にとっては、Zephyrの学習コストを回避しつつ最新世代のSoCを活用できる点で大きなメリットです。

 

ウェビナー情報

なお、Nordicは 2025年9月4日 にこのBare Metal optionに関するウェビナーを開催予定で、ハンズオンデモも含まれるとのことです。興味のある方はぜひチェックをおすすめします。

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